Designing and delivering effective simulation-based education for global nursing emergency disaster preparedness and humanitarian practice
グローバル看護の緊急災害対応と人道支援のための効果的なシミュレーションに基づく教育の設計と実施

Guy Dominic COLLINS and Nang-Tege Daniel EKUMAH
University of Debry, England

オリジナル論文

DOI: https://doi.org/10.24298/hedn.2025-SP03

要旨

2024年,英国のダービー大学(University of Derby)は,学生がグローバルな健康危機の複雑さに対応できることを目的とした国際的なシミュレーションチャレンジを開催した。この学際的なイベントには,看護学,保健衛生学,社会福祉学,公衆衛生学の学部および大学院生が参加した。6つのカルーセルシミュレーションシナリオを取り入れたこのイベントの設計と実施により,看護における緊急災害対策と人道支援教育のためのシミュレーションに基づく教育(SBE)の最適化に向け,標準化された枠組みの必要性が浮き彫りになった。
今後のシミュレーション教育の指針となる概念的枠組みが開発され,一貫性,安全性,測定可能な成果が保証された。SBEはこの分野のスキル開発にとって非常に価値がある一方で,心理的ストレス,実際の状況に十分に対応できない可能性,患者に対する否定的な態度を助長するリスクなどの課題もある。これらを避けるために,SBEは技術的スキルだけでなく,現実主義,共感,コミュニケーション,関係性を重視したケアを取り込む必要がある。
提案されている概念的枠組みは,英国の実践に基づくものであるが,世界的に適応できる可能性があり,体験学習,学際的な協力,適切な技術活用を促進するものである。それを導入することによって,災害対応や医療のグローバルな対応能力を強化でき,SBEの指導者にとって,実用的で使いやすい指針となる。さらに,この枠組みは,さまざまな状況に適応可能であり,国際的な能力基準にも整合性がある。

キーワード:シミュレーション,教育法,再学,人道支援,枠組み

背景

2024年に開催された国際シミュレーションチャレンジイベントは,学際的な取組として企画され,看護,保健・福祉,公衆衛生の分野の学部生および大学院生から参加を募り,近隣の地域大学や海外の提携機関から招待された学生にも門戸が開かれていた。
このイベントの主な目的は,健康に関する国際的な災害緊急事態の複雑な課題に学生参加者が対応できるようなに支援することであった。この目的を達成するために,6つの模擬シナリオが設定され,「感染症の流行」「業務計画」「感情調節障害」「移民/難民対応演習」「重大事故対応」「精神的トラウマ」というトピックに沿って開発された。
このイベントの企画運営の一環として,臨床教授陣からなる大規模なファシリテーターチームが,複数の研究プログラムにおいてシミュレーションに基づく教育の豊富な経験を活かした。しかし,そのような経験があったにもかかわらず,シミュレーションに基づく教育を成功させ参加者によい結果をもたらすために考慮すべき事項,優先順位,ファシリテーターの好み,意図した手法の展開においてばらつきや齟齬があることが,設計と実施の段階で明らかになった。
この経験を踏まえ,著者らは今後のシミュレーションに基づく教育(SBE)および看護の緊急災害対応と人道支援のためのイベントの計画立案の一環として,この実践分野におけるSBEの有用性について検討した。その結果,今後の標準化されたアプローチを構築・育成するための概念的枠組みを設計した。
この枠組みを活用したSBEの設計と実施は,英国以外の地域にも応用可能であると考えられる。また,将来的にこの枠組みと他のアプローチを比較・評価する研究の実施も期待される。

シミュレーションに基づく教育(SBE)の定義

SBEは,学習体験を高めるために,現実のシナリオを自然環境または仮想環境で再現する対話型の教育・学習手法である(Collett, 2024)。看護とヘルスケアの分野において,SBEは,学生や医療従事者が実際の患者に危害を加えるリスクを冒すことなく,技術を演習し,意思決定能力を高め,コミュニケーションを改善し,臨床能力を強化することを可能にする(Elendu et al., 2024)。SBEの教育的アプローチは,達成すべき知識と技能,教育者の技能,および利用可能な資源に基づいて展開される。SBEには,様々な焦点,手法,資源,および意図された結果が含まれる。具体的には以下のような種類がある。静脈注射やカテーテル挿入などの技術的スキルの開発に焦点を当てたタスクトレーニング,心停止など人間に近い生理的反応を模倣するために高精度のマネキンを使用するマネキンベースシミュレーション,特定の臨床場面で特定の患者の特徴を表現するために訓練された俳優を使用する標準化患者(SP),学習者をコンピュータで生成された臨床環境に没入させる仮想現実(VR)シミュレーション,実際の医療環境で実施し,主にチームダイナミクスとシステムプロセスの改善を目標とした現場シミュレーションがある(Nehring & Lashley, 2009; Elendu et al., 2024; Caffery et al., 2024)。
効果的なシミュレーションの主な特徴は,安全な学習環境(リスクを最小限に抑えた環境)を提供し,学習者が自由に探求し,失敗から学び,特定の能力を習得できる点にある(Koukourikos et al., 2021) シミュレーションは,学習者が医療分野の複雑な状況に対応できるよう,現実に近い体験を提供するものでなければならない(Marquette University Nursing, 2019)。また,シミュレーションは,問題解決や意思決定などの重要な思考プロセスを促し,プレッシャーの高い医療環境で必要とされる判断力を養うものでなければならない(Aggarwal et al.,2010;Koukourikos et al.,2021)。英国王立看護協会 (2023)と,とSociety for Simulation in Healthcare(2019)は,シミュレーションが多職種チーム(Multidisciplinary Team; MDT)における協力的な学習環境を促進し,チームワークや効果的なコミュニケーションの発展・実践の場となるべきであると述べている。
英国では,Health Education England(2020; 2021)が効果的なシミュレーションの重要性を認めており,その利点として,以下の点があげられている。能力と自信の向上(Alharbi et al.,2024; Review and Krumwiede,2024),患者アウトカムの改善(Aggarwal et al., 2010; Royal College of Nursing, 2023),柔軟性とアクセスのしやすさ(Society for Simulation in Healthcare, 2019; Marquette University Nursing, 2019),まれな症例や複雑な臨床状況へ対応する経験の提供(Koukourikos et al., 2021; Aggrawal et al., 2010)である。また,効果的なシミュレーション演習は,実際的で効果的かつ経済的な準備体制へのアプローチを提供する(Pattillo, 2006)。
しかし,効果的なシミュレーションを成功裏に実施するためには,いくつかの課題がある。それは,質保証に関する懸念や継続的かつ多様な研究の必要性(Alinier & Oriot, 2022; Royal College of Nursing, 2023),従来のカリキュラムへのシームレスな統合(Aggarwal et al., 2010; Royal College of Nursing, 2023),保健医療におけるシミュレーションに基づく実践の指針に関するASPiH 2023基準(Diaz-Navarro et al., 2024)によると財政や必要なファシリテーターのスキルセットなどの資源の制約である。

緊急災害対応と人道支援にシミュレーションが有効な理由

シミュレーションに基づく教育は,看護師が安全で管理された環境で重要なスキルを訓練し磨くことができるため,看護の緊急災害対応や人道支援に非常に効果的である可能性がある。災害シミュレーションでは,看護師は効果的なトリアージやその他の重要なソフトスキル,コミュニケーション,共同での臨床的意思決定などの実践的スキルを強化することができる(Andriyanto and Hidayati, 2021; Hamdi and Al Thobaity, 2023; Russin and Mottel, 2024 and Pappiya et al., n.d.)。緊急災害や人道支援の現場では,看護師はしばしばストレスが高く,極度のストレス下で重大な判断を迫られる状況に直面することが多いが,シミュレーションによって,こうした複雑な状況への対応を,現実世界でのリスクなしに演習できる貴重な機会を提供する(MSF Sweden Innovation Unit, 2024; Guerrero-Martínez et al., 2020)。
緊急災害対応や人道支援における効果的なシミュレーションの促進や良好な成果は,必ずしも最新のマネキンなど高価な技術や高性能のシミュレーション機器の過剰な活用を必要とするわけではない。Phanら(2023)は,看護学生を対象とした低コストの災害準備シミュレーションが,非常時における専門職間の連携やコミュニケーションの理解を大幅に向上させることを強調している。この実践的なアプローチにより,看護学生は現実的なシナリオに取り組むことができ,現実の災害に対する自信と対応能力を高めることができる。Putraら(2020)は,看護師の災害に関する過去の経験やシミュレーション訓練への参加は,災害対応能力と強い相関関係があることを強調している。このことは,災害対応のシミュレーションを繰り返し経験することで,看護師が実際の災害や人道支援の現場でより適切に対応できるよう準備を整えられる可能性を示している。
シミュレーションは,緊急災害対応や人道支援を強化する上で明らかに有益なものではあるが,あらゆる形態のシミュレーション体験がすべて,自動的に効果的な教育や学習の成果を保証すると考えるのは危険である。こうした成果は,自己啓発能力を向上させ,実践水準を高めるために不可欠である。実際,シミュレーションの設計や実施が不適切であれば,貴重な学習機会を逃し,参加者にとっても,彼らが将来関わる可能性のある人々にとっても,有害な影響を及ぼす可能性がある。特に懸念事項の1つは,シミュレーショントレーニングが看護学生や専門家に与える心理的影響である。シミュレーションのタイミング,計画,進行方法,高ストレスな環境は,参加者の不安やバーンアウトを引き起こす可能性がある。例えば,Martinら(2023)は,COVID-19パンデミックの際にシミュレーションに基づくトレーニングに移行したことで,従来の業務負担も抱えながら,新しい学習方法へ適用しなければならなかったことで,看護師のストレスが悪化したことを明らかにしている。
Alinier と Oriot (2022)によると,学習者にとって現実味があり没入できるシミュレーションを作成するためには,環境,参加者の関与,適切な技術活用などの要素を用いて,学習目標を実際の状況に合わせることが重要である。そのため,教育者はこの体験を強化するために,「善意の欺瞞(benevolent deception)」つまり意図的に情報操作をすることが多い。善意の欺瞞は,批判的思考と適応能力を育むために,安全な体験学習環境の中で,現実(現実世界の臨床的課題)に近い状況をつくるように頻繁に活用される。しかし,この手法を用いることで,シミュレーションが不自然に感じられ,学習者が混乱したり,誤った理解をしたり,場合によっては不快に感じたりする可能性もある。例えば,災害医療シミュレーションでは,教育者が患者のセリフをあらかじめ脚本化し,重要な情報を隠したり,意図的に学習者を混乱させるような課題を作り出したりする。これには,状況を誤解させるような情報を与えたり,意図的に緊迫感を高めたりすることで,学習者の批判的思考やチームワークのスキルを評価するといった方法が含まれる。このような国際シミュレーション・チャレンジのあるシナリオでは,大規模な事故現場で不安そうにしていた若者について,学生たちはその「頑なな態度」から精神的に不安定であると判断したが,後に一部の学生は,実際の問題は言語の壁であると気づいた。したがって,シミュレーションの効果を最大限に高め,実際の医療現場で患者に危害を及ぼす潜在的なリスクとなることを事前に防ぐために,AlinierとOriot(2022)は,教育者はプレブリーフィング(事前説明)の段階で欺瞞(意図的な情報操作)の可能性を提示し,デブリーフィング(振り返り)の段階で欺瞞に対する学習者の反応について話し合うべきだと提案している。
看護師は,緊急時,災害時,人道支援状況において孤立して働くことはない。シミュレーションは,多職種が協働しなければならない緊急時や人道支援において極めて重要な,職種間の協働を実践する機会を提供する。看護師は,実際の多職種連携を模倣したシミュレーションに取り組むことで,コミュニケーション,調整力,チームワークを向上させ,危機時における患者のアウトカムを確実に改善することができる。Carenzoら(2020)は,災害時に直面する多くの課題は,臨床経験の未熟さよりもむしろリーダーシップやマネジメントの失敗に起因していることを強調している。シミュレーションに参加することで,さまざまな分野の人々が,効果的な緊急災害対応に不可欠な調整とコミュニケーションを習得することができる。
Chávez-Valenzuelaら(2025)は,学際的シミュレーションの実施における課題として,計画の調整,他職種の役割の理解,カリキュラムプログラムの連携などを挙げている。Dinhら(2023)は,シミュレーション演習が,参加者に災害対応に必要な要素を理解させると同時に,実践的なスキルを習得する機会を提供すると主張している。彼らは,複数の医療系学生や専門職を関与させることで,学生が自らの専門領域の範囲内で業務を遂行しながら,他の分野の役割を観察できるという利点を強調している。
看護プログラムにおけるシミュレーションの一般的な欠点として,演習に参加する看護師の割合が多く,他の専門職グループとの交流が制限されるため,看護師のみで様々な職種の役割を演じなければならないことが多いことが挙げられる(Zhou et al.,2022)。多様な職種の複数の学習者が重要なチームワークスキルを習得できるようなシナリオを作成することは,特に困難である(Benishek et al.,2020)。英国に見られるように,看護学生の集団規模が大きいと,職種ごとに分けたシミレーションの実施が必要となることが多いが,このことはシミュレーションに基づく教育の計画,資金調達,実施,専門的水準の維持に重大な影響を及ぼす可能性がある(Holt, 2024)。看護師が自分の専門職グループ内だけでシミュレーションを行うという状況には明らかな限界がある。現実世界のシナリオを再現できず,真の意味での専門職間の理解,協力的なチームワーク,実践に応用可能なスキルの習得が難しいという問題がある。AbdulmohdiとMcVicar (2024)が証明しているように,シミュレーションが実際の現場にどれだけ近いと認識されるかが,シミュレーションで得た知識を実践に応用するうえで重要な役割を果たす。
したがって,専門職間シミュレーションは,開発と実施においてより大きな運営上の課題があり,常に実現可能であるとは限らないが,特に緊急事態や人道支援に関連するシミュレーションに基づく教育においては,重要な目標として検討されるべきである。これは,異なる専門分野に対する認識の向上,コミュニケーション能力の強化,実践能力の習得といった,より広範な学習機会を提供するものである。
効果的なシミュレーションを作成するには,単に参加者にシナリオを設定するだけでは不十分である。設計は意図的でなければならず,具体的な目標に導かれ,主要な学習目標を満たすように構成されなければならない。概念的フレームワークは,効果的なSBEの設計と実施に不可欠なツールである。これにより,シミュレーションのプロセスが体系的に進められ,すべての重要な要素が学習目標と整合し,最適な学習体験を提供できるようになる(Kim, Park and Shin, 2016)。複数のシミュレーションを管理する場合でも,大規模なシミュレーションを管理する場合でも,フレームワークを活用することで,必要なリソース,準備作業,シミュレーション中の参加者の期待される行動,ファシリテーターの役割,さらにはデブリーフィングや評価のニーズとその手法を迅速に特定することができる。
Oliveira Silvaら(2022)は,医療および看護におけるシミュレーション設計の要素をマッピングし,SBEの計画を支援するために,それらの定義に基づいた分類を提案する研究を実施した。共通の言語とフレームワークを開発し,理解を促進しながらシミュレーションの順序を整理することは,その実施と影響力の向上に寄与する(Oliver et al., 2024)。SBEのベストプラクティスに関する既存の基準やガイドラインには,英国のAssociation for Simulated Practice in Healthcare(ASPiH, 2023)や,国際的なInternational Nursing Association for Clinical Simulation and Learning(INACSL, 2021)の指針がある。これらの指針の基本的な部分は転用可能であるが,緊急災害や人道支援の分野では,SBEの設計や実施にばらつきがあり,この分野におけるシミュレーションの適用に関する質の高い研究も限られている(Geng et al., 2021)さらに,既存のガイドラインはリソースの豊富な西洋諸国を中心に作成されている傾向があり,Salifuら(2022)は,低資源環境における看護教育のシミュレーション設計・実施・評価を導く,特定の文脈に適した枠組みが不足していることを指摘している。

看護緊急災害および人道支援のための効果的なシミュレーションに基づく教育の設計と実施の枠組み

図1看護緊急災害および人道支援のための効果的なシミュレーションに基づく教育の設計と実施の枠組み(Collins and Ekumah)

シミュレーションに基づく教育の設計と実施の枠組み

以下に提案する枠組みは,英国以外の国でも広く実施できる可能性があるが,各国の専門的背景やリソースの有無に合わせて慎重に適応させる必要がある。ただし,緊急災害対応や人道支援における看護師の国際的な能力基準(International Council for Nurses 2019, 2022)と整合させる必要がある。
この体系的な概念設計とSBEの実施により,明確な学習目標,適切なシナリオ,効果的なスキル演習,そして現実の状況への応用可能性が保証される。一貫性,安全性,測定可能な成果を促進することで,学習者は能力と自信を身につけることができる。体系的なアプローチが欠如すると,シミュレーションは効果を発揮せず,混乱を招いたり学習機会を失う危険性がある。

目的:明確な学習成果の定義

SBEでは,明確で測定可能な目標を設定することが,学習体験を導くために不可欠である。これらの目標は,臨床能力,コミュニケーション,チームワーク,意思決定など,特定のスキルの開発を目標とすべきである。
目標は,参加者のこれまでの経験レベルや専門的背景に合わせてカスタマイズする必要がある。初心者の場合は,緊急時や人道支援のための基本的なスキルに焦点を当て,経験豊富な参加者は,より複雑で高度なシナリオに取り組むようにする。このように目的を調整することで,シミュレーションが目的にかなったものとなり,多様な参加者が効果的に評価できる明確な成果を伴う,的を射た学習体験となる。

所要時間:最大限の学習効果を得るための時間設定

シミュレーションの所要時間は,学習の深さと参加者の集中力を維持するうえで重要な要素である。割り当てられた時間は,学習目標を達成するのに十分である必要があるが,長すぎると疲労や集中力の低下を招く可能性がある。そのため,参加者には完了までのおおよその時間枠を提示することが推奨される。一方で,固定された時間制限を設けると,参加者がシミュレーションの終了時刻を意識しすぎてしまい,活動の質や関与度が低下する可能性がある。そのことで,シミュレーションの流動性や臨場感が損なわれる危険がある。

設定:現実的な学習環境の構築

シミュレーションの設定とは,シナリオが展開される環境を指し,緊急災害や人道支援の現場における実際の状況を忠実に再現することが求められる。これにより,参加者は知識やスキルを実践的に適用できるようになる。例えば,急時対応のシミュレーションでは,参加者が時間的制約のある中で複数の患者を対応することが求められる。一方,人道支援の災害シナリオでは,限られた資源の中で対応する状況を再現することが重要である。設定には,社会的・心理的な側面も含まれ,現実的なチームダイナミクスや患者との相互作用が促進される。また,高精度のマネキン,VR(仮想現実),AR(拡張現実)などの技術を活用することで,没入感のあるリアルな体験を強化できる。しかし,シンプルな小道具や,俳優を模擬患者として活用する手法でも,臨床や人道支援の環境を適切に反映すれば,同様に効果的である。

資源:必要なサポートの特定と配分

シミュレーションの成功には,物理的,技術的,人材的な資源が不可欠である。シミュレーション機器には,マネキン,医療機器,リアルタイムのフィードバックを提供するモニタリングシステムなどが含まれる。また,ロールプレイ型のシナリオでは,模擬患者を演じる俳優の参加が一般的である。物理的な環境もシミュレーションの設定に応じて調整する必要がある。例えば,緊急対応センターを再現した施設内の空間や,災害時のシナリオに適した屋外の特設エリアを活用することが考えられる。さらに,シミュレーションを効果的に運営・実施するためには,適切な人材の配置が重要である。これには,ファシリテーター,俳優,技術スタッフなどが含まれ,それぞれの役割を明確にし,適切に配置することが求められる。

患者プロファイル:リアルな臨床シナリオの構築

緊急災害対応や人道支援のシミュレーションにおいて,よく練られた患者プロファイルは,身体的疾患,外傷,心理的ストレスを抱える患者などのリアルなシナリオを提示することで,批判的思考を促進する。また,家族関係などの心理社会的要因も考慮することで,より現実に即した状況を再現できる。多様な患者シナリオを取り入れることで,参加者はさまざまな臨床的・文化的な状況に対応する力を養い,複雑で困難な環境においても患者中心のケアを提供する能力を向上させることができる。

参加者の準備と事前ブリーフィング:成功への基盤づくり

参加者の準備について計画することは,学習者の経験を向上させるために不可欠であり,設計者が参加者のニーズ,能力,学習目標,必要な情報,目的を考慮する際の指針となる。体系的な計画を行うことで,各参加者の具体的な役割や期待される行動を明確にし,必要に応じて調整を加えることができる。例えば,異なる学習スタイルやスキルレベルに応じた配慮を行うことで,シミュレーションの効果を最大限に引き出すことが可能となる。
構造化されたプレブリーフィングは,参加者がシミュレーションに備えるために不可欠である。これは,シナリオ,目的,役割に関する背景を説明すると同時に,参加者の不安を軽減し,期待を明確にするのに役立つ。ファシリテーターは,シミュレーションの形式と背景,利用可能なリソース,期待される参加者の役割について説明し,質問や討論を促すべきである。支援的で偏見のない環境の基本ルールを設定することで,学習者は安心して間違えることができ,そこから学ぶことができる。

ファシリテーターの役割:学習プロセスの指導

ファシリテーターは,シミュレーションの進行を支援する重要な役割を担い,シナリオの設定,参加者の行動観察,フィードバックの提供,学習プロセスの支援を行う。彼らは,シミュレーションの目的とシナリオを紹介し,参加者の相互作用や意思決定を観察し,建設的なフィードバックを提供する責任を負う。ファシリテーターは,必要に応じて指示を与えることもあるが,シミュレーションを過度に中断しないよう注意しなければならない。過度な介入は,実践的なシナリオのリアリズムを損ない,単なる教育演習へと焦点がずれてしまう可能性がある。そのため,ファシリテーターは,参加者が自らの失敗から学ぶ機会を確保し,より実践的で没入感のある学習環境を作り出すことが求められる。効果的なファシリテーションを実現するためには,シミュレーション教育の専門知識を持ち,グループ管理や感情的な反応への対応に熟練した専門家をチームに含めることが重要である。特に,高いプレッシャーのかかる緊急災害対応や人道支援のシミュレーションでは,このようなスキルが不可欠となる。

実施:効率性,安全性,時間管理

効果的なシミュレーションは,学習者が技術的スキルを実践するだけでなく,批判的思考,問題解決能力,優先順位の判断,分析,意思決定といった認知スキルを,プレッシャーのかかる状況下で応用することを求める。多くのシミュレーションは,個々の能力とチームでの協力の両方に焦点を当て,参加者同士のコミュニケーションと調整を重視している。適切に設計・文書化されたシミュレーションは,チームワークや相互作用の機会を確保するために不可欠である。
シミュレーションの枠組みは,安全対策を組み込み,リスク評価,機器の確認,緊急時対応のためのチェックリストを提供する必要がある。また,この枠組みには,安全上のリスクに対応するための計画も含まれており,必要に応じてファシリテーターや参加者がシミュレーションを一時停止または中止できるようになっている。
想定される所要時間は事前に設定されるべきだが,厳格なストップウォッチ方式にはしないことが推奨される。時間が過ぎると参加者がファシリテーターの指示を待ち,関与度が低下する可能性があるためである。
また,ファシリテーターはシミュレーションの時間枠内で適切に活動を配分する必要がある。例えば,新たな情報の提供やシナリオの変更を行うことで,シミュレーションの流れを維持することができる。これらの介入が適切なタイミングで行われないと,シミュレーションの動的な緊張感が失われる可能性がある。

デブリーフィング:振り返りと学習の促進

デブリーフィングは学習プロセスの重要な要素であり,参加者が自身の行動を振り返り,意思決定の結果を理解し,改善すべき点を明確にする機会を提供する。デブリーフィングは,確立されたモデルに基づいて構造化されるべきである。ホットデブリーフィングでは,シミュレーション直後に振り返りを行い,参加者が新鮮な記憶の中で経験を整理することができる。一方で,コールドデブリーフィングは時間をおいてから実施され,参加者はより冷静な視点でシナリオを振り返ることができる。このように時間をおいて行うことで,シミュレーション中の感情的な影響が落ち着いた状態で,より深い分析が促される。ホットデブリーフィングとコールドデブリーフィングの両方において,適したモデルを活用することで,タイミングに応じた効果的な振り返りが可能となる。どのモデルを採用する場合でも,デブリーフィングは振り返りの促進,参加者同士の議論,建設的なフィードバックの共有,主要な学びの強調を通じて,継続的な改善と将来のパフォーマンスの向上を支援するべきである。

評価の方法:学習成果の評価

シミュレーションの効果を評価することは,参加者の学習効果を測定し,今後の演習を改善するのに役立つ。評価方法には,シミュレーション前後の評価,ファシリテーターの観察,参加者からのフィードバック,参加者へのアンケートなどがある。このフィードバックは,今後のシミュレーションの設計を調整し,継続的な改善を図るために用いられる。

結論

シミュレーションに基づく教育は,看護における貴重かつ不可欠なツールであり,能力開発と準備のための重要な機会を提供する。しかし,心理的ストレス,現場の不十分な準備,患者に対する否定的な態度を助長するリスクなど,潜在的な課題を認識することが重要である。このような問題に対処するためには,看護プログラムは,技術的スキルだけでなく,共感,コミュニケーション,人間関係のケアも重視し,総合的なアプローチをとらなければならない。
看護の緊急災害対応と人道支援のための効果的なシミュレーションは,体験的学習,学際的連携,およびシナリオの現実性と関連性を高める技術の適切な利用に重点を置くべきである。
構造化されたSBEは,明確な目標,意味のあるシナリオ,技能演習のための安全な環境を確保し,一貫性,安全性,測定可能な成果を促進する。適切な枠組みがなければ,シミュレーションは効果的な学習体験を提供できない可能性がある。
この詳細な概念的枠組みは,主として著者の英国での実践に基づいているが,より広範な国際的な導入や開発,研究評価の可能性を秘めている。導入の鍵として提案されているのは,SBEファシリテーションチーム全体への適用のしやすさ,構造化された一貫性を確保しつつ,集団の自主性を認めることである。各要素はシナリオや各国の専門的な文脈,利用可能な資源に応じて適応できるようになっており,同時に緊急災害対応や人道支援における看護師の国際的な能力基準とも整合するように設計されている。フレームワークの適用は,理論的な枠組みとして現実世界での課題や効果的なSBEのための実際から切り離すことを意図したものではなく,むしろ実践的で使いやすい概念的な実践ガイドとして意図したものである。
これらの戦略を採用することで,効果的に設計され提供されるSBEは,専門家の準備性を向上させ,国際的な医療対応能力と成果を高める可能性がある。

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