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No. 4(被引用数:48)

Abstract

Introduction Registered nurses have to adequately prepare to respond to disasters, as they have become increasingly frequent worldwide. The aim of this study was to identify the factors influencing registered nurses’ disaster preparedness in Bengkulu, Indonesia.
Methods
This study used a descriptive correlational study design. A total of 130 registered nurses working in 2 governmental hospitals in Bengkulu, Indonesia, were recruited by using a convenience sampling technique. A self-administered questionnaire, the Disaster Preparedness Evaluation Tool, was used to determine their current levels of registered nurses’ disaster preparedness.
Results
The registered nurses reported a moderate level of disaster knowledge, skills and preparedness. Their knowledge and skills were significantly correlated with disaster preparedness (r = 0.39-0.71, P < 0.01). Three significant factors associated with disaster preparedness were identified in this study: educational level, disaster knowledge, and disaster skills (R2 = 0.31, F = 12.60, P < 0.001).
Discussion
Continuing disaster drills training and implementing a formal disaster educational program into nursing curriculum and professional development are recommended to achieve effective disaster preparedness in the hospital setting.

Keywords: Disaster planning; Hospital; Emergency nursing; Surveys and questionnaires; Indonesia

抄録

はじめに
災害は世界中でますます頻繁におこっているため,正看護師は災害に対応するための適切な準備をしておく必要がある。この研究の目的は,インドネシアのベンクルにおける正看護師の災害への備えに影響を与える要因を特定することである。
方法
この研究では,記述的相関研究デザインを使用した。インドネシアのベンクルにある 2 つの公立病院で働く合計 130 人の正看護師が,便宜的サンプリング手法によって抽出された。自己記入式アンケートである災害対策評価ツールを使用して,正看護師の現在の災害対策レベルを判定した。
結果
登録看護師は,中程度のレベルの災害に関する知識,スキル,備えを持っていると報告した。彼らの知識とスキルは災害への備えと有意な相関があった(r = 0.39-0.71,P < 0.01)。この研究では,災害への備えに関連する 3 つの重要な要素,教育レベル,災害知識,災害スキルが特定された ( R 2 = 0.31,F = 12.60,P < 0.001)。
考察
病院で効果的な災害への備えを実現するには,災害訓練を継続し,看護カリキュラムと専門能力開発に正式な災害教育プログラムを導入することが推奨される。

キーワード:災害計画; 病院; 救急看護; アンケート・アンケート;インドネシア

コメント

この研究では,インドネシア語に翻訳された修正版災害準備評価ツール(Disaster Preparedness Evaluation Tool:DPET)を用いベンクルの看護師の災害に対する備えについて評価している。オリジナルのDPETはTichyら(2009)によって開発されたものであるが,ヨルダンの看護師の災害への備えを評価するために修正され(Al-Khalailehet al., 2012),今回それがインドネシア語に翻訳された。このツールは,妥当性や信頼性が検討され,多様な地域や用途で使われているので,看護師の災害に対する備えについて研究する場合に有用だと考えられる。
質問票は防災に関する知識(13項目),スキル(12項目),事前準備(22項目),災害時における看護師の教育と訓練の必要性(11項目),参加者の属性から成っていた。この研究には130人の看護師が参加し,うち58%が女性で,74.6%が学士号を持っていた。防災への備えが弱い項目は,「災害への備えと管理に関する関連情報や文献を見つける」や「バイオテロや生物学的攻撃への対応準備に関する技能の不足」であり,先行文献と同様な結果であったことが示されている。これは,日本の状況にも該当すると考えられる。臨床において,文献検索が可能な状況が広がってきているにもかかわらず,最新の学術的情報収集は十分ではなくこれがエビデンスに基づく実践(EBP)の壁となっていることが指摘されている(。また,日本は自然災害が多い国であるので,災害教育は自然災害を中心に展開されやすく,バイオテロや生物学的攻撃への対応準備の教育には十分に時間が割かれていないと考えられる。
 災害に対する備えと有意な相関がみられたのは,教育レベル,実務経験,過去の災害訓練,災害に関する知識や技能であった。先行研究からも,高学歴の看護師は災害に対する備えが高いことが示されており,著者は,インドネシアでは,災害看護学は必修科目として含まれていない状況が多いが,看護カリキュラムに教育プログラム(災害予防,災害時の応急手当,災害後のリハビリテーションなど)を開発し明確に位置づけることを提案している。災害看護学の必修化という視点もあるであろうが,最大の備えは,日ごろからの実践にそれらが組み込まれていることである。防災がまちづくりの基本であるように災害看護の枠組みは看護実践の基盤を成すのではないだろうか。

Tichy M, Bond AE (2009): Beckstrand RL,Heise B.Nurse practitioners’ perceptionof disaster preparedness education. Am J Nurse Pract. 13(1), 10-22.
Al-Khalaileh MA, Bond E, Alasa JA (2012) Jordanian nurses’ perceptions of their preparedness for disaster management. Int Emerg Nurs. 20(1), 14-23. https://doi.org/10.1016/j.ienj.2011.01.001