A+ A A-
  • カテゴリ: top20
  • 参照数: 66

No. 1(被引用数:153)

Abstract

Background: Disasters and the magnitude of destruction are increasing worldwide. Nurses constitute the largest number of healthcare providers and have major roles in disaster response and care. They need to have sufficient knowledge, skill competencies, and preparedness in responding to disasters. This review aimed to evaluate nursing preparedness to disasters in terms of knowledge, skill competencies, and psychological preparedness to disasters. Methods: A systematic review was conducted from recent research articles published between 2001 and 2018, which included searches from five databases: PubMed, Cumulative Index to Nursing and Allied Health Literature (CINAHL), Scopus, Medline, and ScienceDirect. Quality of the selected studies was assessed using Mixed Methods Appraisal Tool (MMAT), and the review results were generated through an iterative narrative process of synthesis to identify common themes. Results: Twelve studies, with a total of 1443 nurses involved, met the inclusion criteria. The articles revealed the need for further development of disaster preparedness of nurses in the aspects of knowledge and skill competencies; and in particular with more focus on the education of nurses to achieve better psychological preparedness. Conclusion: The results of this review showed that it is important to enhance the psychological preparedness of nurses, in addition to knowledge and skill competencies, so that they can provide the best care possible to affected individuals as well as for themselves. Keywords: Disaster preparedness; Knowledge; Nurses; Psychological preparedness; Skill competencies.

抄録

背景: 災害と被害の規模は世界中で増大している。看護師は医療提供者の中で最も多くを占めており,災害対応やケアにおいて重要な役割を担っている。災害に対応するためには,十分な知識,技能,備えが必要である。このレビューは,知識,技能コンピテンシー,および災害に対する心理的準備の観点から,看護の災害への備えを評価することを目的とした。 方法: 2001 年から 2018 年の間に出版された最近の研究論文からシステマティックレビューが実施された。これには,PubMed,Cumulative Index to Nursing and Allied Health Literature (CINAHL),Scopus,Medline,ScienceDirect の 5 つのデータベースからの検索が含まれていた。選択された研究の質は,混合法評価ツール (MMAT) を使用して評価され,共通のテーマを特定するための反復的なナラティブプロセスを通じてレビュー結果が作られた。 結果: 合計 1,443 人の看護師が参加した 12 件の研究が対象基準を満たした。これらの論文は,看護師の知識と技能コンピテンシーの面で災害への備えをさらに発展させる必要があることを明らかにしました。特に,より良い心理的準備を達成するための看護師の教育に重点を置いています。 結論: このレビューの結果は,看護師が被災者に可能な限り最善のケアを提供できるように,知識と技能コンピテンシーに加えて,看護師の心理的準備を強化することが重要であることを示した。 キーワード: 災害への備え; 知識; 看護師; 心理的な準備; 技能コンピテンシー

コメント

著者らは,「災害への備え」をテーマとし,看護師が研究対象者である事例研究とレビュー論文を除くすべての研究タイプを対象にしてシステマティックレビューを行った。本レビューにより,「災害への備え」としてどのようなことが実施されているのか,何が課題であるかを読者は知ることができる。レビュー対象となった12論文のうち半数は中国本土のもので,他は米国,フィリピン,サウジアラビア,シエラレオネ,日本など1件ずつであった。量的研究7件のうち6件は横断調査であり,5件は質的研究であった。ナラティブ分析の結果,災害への備えに関する4つのテーマが特定した。 1. 教育や訓練を受けても知識不足  看護師らは,教育や訓練を受けても災害に対する備えが不十分であると認識していた。不足していると感じる領域は次のようなものであった。①災害全般,➁保護具の適切な使用と外傷ケア,③生物学的情報とバイオテロリズムの管理,④感染症と生活環境,➄災害時の方針,計画,病院の役割,⑥災害時の自らの役割 2.スキル・コンピテンシー(技術能力)の欠如  災害時のスキル・コンピテンシーとは,看護師が災害の状況下で業務を遂行することを可能にする技術(および知識)の能力のことである。看護師らは自分のコンピテンシーは低いと認識していた。また,災害時に必要な技術は心肺蘇生法,止血・包帯・固定などの緊急時の対応,静脈内挿入,集団傷病者トリアージなどがあげられていた。また心理的危機介入の訓練の必要性も指摘されていた。 3.健康管理に対する意識と意欲  災害に対する態度や医療を提供する意欲に関する文献は1件しかなかったが,看護師らは,災害救援活動への参加について積極的な態度を示しており,その経験を専門的・個人的な成長のチャンスであり,お互いを助け合う機会とみなしていた。 4.心理的備えを強化する必要性  看護師のうち,災害時の主な役割は心理的ケアを提供することであると考えていたのはわずか20%であったという論文もある一方で,心理的支援を提供することが災害救援における主な役割であると考えているという結果もあり,心的外傷後の心理的ケアやメンタルヘルスケアの学習の必要性を述べる文献がみられた。これらの文献をまとめると,看護師は災害後に被災者らにカウンセリングや支援を提供するための十分な訓練を受けていないため,心理的ケアに関する知識やスキルが不足しており,看護師自身も災害ケアや救援を提供する過程で心理的影響を受ける可能性があると結論づけられた。  これらの結果をふまえ,著者は,特に心理的備えの必要性を強調している。すなわち,被災者への心理的ケアの提供および看護師自身の心理的レジリエンスを高めるための十分な教育や学習活動を提言している。その一例として,看護師が心理的応急手当(psychological first aid;PFA)を習得することを推奨している。 PFAは,苦しんでいる人,助けが必要かもしれない人に同じ人間として行う,人道的,指示的な対応のことである(Sphere, 2011;IASC,2007) 。見る,聞く,つなぐを活動の原則として,以下のようなことを行う。専門家でなくても身につけることができ,そのガイドが厚生労働省より紹介されている。 chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.mhlw.go.jp/content/000805675.pdf ・実際に役立つケアや支援を提供する,ただし押し付けない ・ニーズや心配事を確認する ・生きていく上での基本的ニーズ(食料,水,情報など)を満たす手助けをする ・話を聞く,ただし話すことを無理強いしない ・安心させ,心を落ち着けるように手助けする ・その人が情報やサービス,社会的支援を得るための手助けをする ・それ以上の危害を受けないように守る